サーフィン

大きな波当日の準備と心構え

大きな波当日について、私の準備方法と心構えを共有します。

海に入る前と入ってからそれぞれ、ご自分の場合と違いがあると思いますので、参考にしてください。

◆海に入る前◆

ー 予報の再確認 ー

  • 時間帯別の波高、秒数、風速、風向き、潮の状態、傾向

ハワイでは、Caldwellカウアイ島沖のブイなどのサイトなどを参照し、波の性質をおおよそ把握しておきます。特にカミングアップの日は、どこまで大きくパワフルになるか予測しておくことで、適切な事前準備が行えます。自分の過去の経験したサイズを超える可能性がある場合は、入らない判断も視野に以下を行います。

  • 海の状態を観察・・・ 少なくとも10分~30分は海の状態を確かめます
    • セットの間隔、本数、サイズ
    • カレントの状態
    • 海面の状態
    • サーファーの人数とスキル
  • 自分との対話
    • 今日までの行動、現時点の体調、心の調整状況
    • 判断
    • 絶対に戻ってくるという強い意志の再確認
  • 装備の確認
    • 板のサイズ、重さ、傷の有無
    • リーシュコード
      • 混雑したブレイクでノーリーシュは基本ありえなません。しかし10ftを超える大波では、セットを喰らった際リーシュがあると板が縦になったまま、自分は波の下でもみくしゃにされ、上どころか右も左も何処にも行けず溺れる可能性があります。ハワイ在住の友人は一度危険な目にあってからはノーリーシュといい、私も10ftオーバーでは混雑状況次第でリーシュをつけません。
    • ライフジャケット
      • 大波の日のライフジャケットには賛否両論あります。ライフジャケットがあるからといって、経験が乏しく明らかに実力を超えた無謀な挑戦は、他のサーファーを邪魔する可能性があり、望ましくありません。一方、大波への準備を怠らず、情熱もあり経験を積んだベテランサーファーでも、その時の運(セットの波にまかれ海面に上がる前に、連続でセットをくらってしまう場合や、自分や他のサーファーの板が頭などに当たり、失神や流血の状態でセットを食らう等)により、自力で岸まで泳げなくなるケースも想定されます。そんな場合も、ライフジャケットを着ていることで、一命をとりとめるチャンスがあるのは事実です。
    • ヘルメット
      • サーフィンする場所の海底がサンゴや岩、溶岩など砂以外で、チューブになる場合は、ワイプアウトの際海底に頭をぶつけることは致命傷になりかねません。バイクでも同じですが、ノーヘルで硬いコンクリートに打ち付けるか、ヘルメットで防御するか、実際にヒットした時の差は歴然でしょう。個人のサーフィンスタイルによりますが、身の安全を確保する手段として考慮に値します。

◆ 海に入ってから ◆

ー 波待ち時 ー

  • 陸の把握・・・ 目印となる建造物や木の場所を覚えておく
  • 流れの把握・・・ 陸の目印を定期的に確認し、自分の位置が変わっていないか
  • 水平線の動き・・・ 水平線に注目し、たわむような動きがあったら1-2分でセットが入るので沖へ漕ぎ始め、波に乗る準備に入る
  • 他のサーファーの位置と動き・・・ セットが入り、一番ピークのサーファーが沖へ漕いだら、躊躇せずすぐに沖へ漕ぎ始める

ー セットが入ったら ー

 越えられるか微妙な位置にいる場合、絶対にショルダー方向には漕がず、真っ直ぐ沖に漕ぎます

ー 食らう時 ー

 波の掘れ具合を確認し、リップの真下になってしまう場合は、板を捨て海底に向かい深く潜ります。波の衝撃を感じた後は、脳のスイッチを切り、身体を軽く丸め力を抜き、酸素の消費を最小限に抑えます

既に崩れてきた波に対しては板を捨てず、ドルフィンの要領で板を沈め、両手両足で板をしっかりとロックするように抱き抱えます。板をホールドするため手足に力は入っているが、脳はスイッチを切り、酸素の消費を抑える。水中を圧倒的な力で縦横無尽に高速で転がらされても何も考えません

ー テイクオフ時 ー

  • うねりが到達する前から、全力でパドリングを開始

 乗る前に板が最大限スピードを得ていることで、波に対応しやすくなります

  • うねりの方向との調和

 波は同じように見えて、岸に対して必ず90度に向かっていくわけではありません。うねりの入ってきた方角により、岸へ向かう角度が数度~数十度変わることがあるので、必ず波が向かう方向に合わせてパドルしましょう。

  • オフショアやチューブになる掘れた波の場合は、走り出してからもなおパドリングを追加します
  • レイルをすぐに入れ、最大限のスピードを得ましょう(波の位置、掘れ具合により調整)

無謀な挑戦は誰も幸せになりません。人が少ないからと言って、風が合わず面の悪いコンディションなどは非常に危険です。最高のコンディションが整うまで待つことも訓練だと思います。

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